XperiaのOSSアーカイブ読み 2017/01/20
いつも通り適当にRSSやTwitterに流れてくるサイトを巡回してたら,気になる記事を見つけた。
未発表のスマートフォンの画像がリークするのはいつも通りすぎて特に言うことはないのだけれど,気になったのはこの部分
また、Sonyのデータベースから、現在開発中のプラットフォーム名も判明しました。 一つは「BlancBright」、もう一つは「Yoshino」です。
Sony Mobileのスマートフォンには基本的に開発コードネームとプラットフォーム名がつけられている(例えば,Xperia Zなら開発コードネームはYuga
でプラットフォームがLagan
(Qualcomm APQ8064 + Qualcomm MDM9215M)のだけれど,新しいプラットフォーム名が判明しているそう。
どうせいつも通りQualcommのSoCだろうし,最新のXperiaのオープンソースアーカイブ見てみたら何か書いてるかも,と久々にXperia X Performance / XZの39.2.A.0.386をダウンロードして探してみた。
すると,ごく僅かに,断片的にだけれどもMakefile中にYoshino
に関する記載があった。
# vendor/semc/external/fips/kscl/Android.mk Line 16 ~ 26 ifneq ($(filter N 7.0, $(PLATFORM_VERSION)),) ifeq ($(strip $(SOMC_PLATFORM)),tone) TARGET_KERNEL_SOURCE := kernel/msm-3.18 else ifeq ($(strip $(SOMC_PLATFORM)),yoshino) TARGET_KERNEL_SOURCE := kernel/msm-4.4 else TARGET_KERNEL_SOURCE := kernel endif else TARGET_KERNEL_SOURCE := kernel endif
どうやら変数SOMC_PLATFORM
がyoshino
ならカーネルソースとしてkernel/msm-4.4
を使用するそう。
ここで出て来る特殊な用語(?)としては
- SOMC : SOny Mobile Communications,昔はSEMC(Sony Ericsson Mobile Communications)だった。
- msm : MSM(Mobile Station Modem,要はQualcomm Snapdragonのこと。
- msm-3.18, msm-4.4 : msmにおけるターゲットLinuxカーネルバージョン。ここにあります。
ただし,39.2.A.0.386にはkernel/msm-4.4
が含まれない為,わかったのはこれだけだった。
わかったこととしては
Yoshino
プラットフォームはQualcommチップセットである。Yoshino
プラットフォームはmsm-4.4
ベースである。Yoshino
プラットフォームはLinux Kernel 4.4ベースになる。
ということくらい。
BlancBright
の名前は見つからなかった。たぶんMediaTekなチップセットなんじゃないかと思う。そういやMediaTek Helio P20採用の機種の情報が漏れてましたね。
あと,Qualcommもチップセットに元素名のコードネームをつけてるみたい。ちょっと適当にソースを眺めてみた感じだとこんな感じかな...間違ってるかもしれない。
- msmcopper => MSM8974 (Snapdragon 800)
- msmgold => MSM8917 (Snapdragon 425)
- msmtitanium => MSM8953 (Snapdragon 625)
- msmferrum => MSM8909 (Snapdragon 210)
- msmplutonium => MSM8994 (Snapdragon 810)
- msmtellurium => MSM8952 (Snapdragon 617)
- msmthorium => MSM8937 (Snapdragon 430)
- msmzinc => APQ8084 (Snapdragon 805)
- msmcobalt => MSM8998 (Snapdragon 835)